母はもと教育者でございました。
この「もと」が厄介なんですよ。
母は私の教育にかなーりー野望があった。なんたって私の受験勉強の時は、隣室で写経してた。わかります?
それは母の人生に対する失意の裏返しだったと思う。
父は凡庸な昭和のオッサンだったから、嫁の貰い手がなくなると言って母を止めた。
オマエと結婚する男は大変だなあとか、歩いてる父の側を通ったら、オレを追い抜く女はオマエぐらいだとか言ってた。
私は自分の教育じゃなくて、自分自身に野望があったから、何言ってんだと思ってた。すきあらば父親なんか殺す気まんまんだった。24時間親父に怒ってた。不条理なことしか言わないから。オレのいうことを聞けないならこの家から出ていけとかね。
私の心はでっかいバイクに乗ってアメリカのハイウェイをイージーライダーしてた。心はね。実態は、高校生になっても、一人で映画に行っちゃダメだった。
いつでも自由になってやる!って思って、そのための金を稼げるよう頑張った。希望は経済しかなかった。
ガンガン勉強した。殺気立ってた。男子を追い抜くことだけ考えてた。それはみんな昭和の話。令和は違うと思うんだよ。違ってほしい。
頼むから性別がなんであっても同じ仕事をしたら同じ金を払ってくれ。
和むものを足しておくね