pampahumide’s diary

ぼうっとしてる時に思うこと

映画 「 ワンドゥギ 」

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ウリ アドゥルっていう韓国語。

うちの息子っていう意味だと思う。

 

子供を持つときに、1人は男の子が生まれなくてはいけない世界観、

はまだ、一部では当たり前だと思う。

 

その文化の中で、

暴力の比重が高ければ高いほど

そうだと思われる。

 

暴力と言っても

公的な暴力装置もあるから、徴兵とか。

別に貶める意図はない。

 

韓国映画では、よくこのウリアドゥルを聞く。

その言葉に、未来への信頼と希望が、込められている。

老いた父親が言うとき、

しばしば失地回復への願いも込められている。

 

ワンドゥクという高校生は、

お母さんがいない。

お父さんは障害者で、

場末のキャバレーの

コミカルなダンサーだった。

ワンドゥクは、キャバレーのお姉さんがくれる菓子で育った。

 

キャバレーが潰れて、体の小さいお父さんは、

市場でダンスをしながら小商いをしている。

いつもにこにこしている小学生ぐらいの知能の、弟子を連れている。

 

その弟子は、キャバレーの花売りだったけれど、

ダンスが大好きで、

お父さんの後をついてきてしまうようになって、

結局、お父さんが面倒を見ている。

 

お父さんは小さいワンドゥクに、

最初にその弟子を紹介した時から、

ワンドゥクが、幼子のような自分の弟子に、

きちんと敬意を払うよう、

きっちりしつけている。

ワンドゥクも裏表なく、フォローしつつも、

弟子を年長として立てている。

口数は少ないけど、そういうお父さん。

 

お父さんの商売は、

日本で言ったらゴム紐とか絆創膏を売る感じ...。

便利な靴の中敷き300円!みたいな....

ギリギリ物乞いではないけど。

 

お父さんはうまく立ち回れなくて、

よく地回りのヤクザに殴られてる。

そこを飛び込んで、

跳び蹴りを喰らわすのがワンドゥク

だ。

そして後でお父さんに叱られる。

暴力を振るったから。

すごい矛盾だけど、

もう矛盾だらけなので、

日々は流れていく。

 

そんな高校生ワンドゥクには

誰も友達がいない。

ものすごく貧乏で、いつも黙って怒っている。

たいていは一人でいる。

 

これを、近所の、クリスチャンで活動家の、

だらしない社会科教師 ドジュンが構い倒す。

クラスのみんなの前で平気で

( 困窮者用の ) 食品取りに来いよ!っていい放つ。

そして後でうわまえを掠める。

 

そもそも困窮者用のカップ麺を、

なぜ学校で配るのか謎だけど。

 

おい ワンドゥガ!

おい ワンドゥガ!

家に帰ってからも、

先生のゴミ出しまでやらされてる。

学校のトイレでまで構う。

 

ワンドゥクは、クリスチャンなので、

耐えられないと、近所のぼろっちい教会に行って、

くそドジュンを殺してくれと、

神に祈る。

真剣に祈る。

神様しか話し相手がいない。

 

笑えるくらい、

神を殴り倒しそうに本気で祈るワンドゥクは、

めちゃくちゃ神を信じてるワンドゥクだ。

 

結局はものすごくいい子なんだと思う。

 

そんなワンドゥクも

やっぱりお父さんの希望の星を負わされてる。

不器用で、必死で生きてるお父さんに、

ワンドゥクは思ったことも言わないけど...

お父さんが重い。

ただでさえ大変なのに。

めちゃくちゃ重い。

 

そんなふうに耐えてるある日

くそ社会科教師ドジュンが、

お前のお母さんに会ったよと

ワンドゥクに告げる....

お母さんはフィリピンの人だよ。

 

ワンドゥクは、聞くなり、そこから一気に校庭の端まで走っていくぐらい怒る。

聞いてない!

みんな勝手すぎる!

ありえない!

何言ってんの?

おかあさん死んだって言ったじゃん!

知らないよもう!

 

 

黒い顔してずっと怒ってる、

ユ アインの演技が

ものすごく可愛いんですよ。

この人は息子役をやると輝き出す、

面白いなあと思う。

王の運命もよかった

 

ただ

どこがイケメンなのか

ぜんぜんわかんないんですけど私....

もう何回見たことか。

大好きな映画です。